特集バナー

2025年2月26日、岩手県大船渡市で発生した山林火災は、乾燥していた森に一気に燃え広がり、4300人の方が避難を余儀なくされることとなりました。
4月7日に鎮圧が宣言されるまでの41日間で大船渡市の面積の10%を超えるの約3370ヘクタールが燃えるという、平成以降で国内最大規模の森林火災となりました。
住民の方や山の持ち主だけでなく、漁業関係者に至るまで被害は大きく、その被害総額は市全体で39億円に上ると報告されています。
火災から半年が経過した今、我々としてできることは何かを考えました。

海と風土が育てた「三陸翡翠あわび」

岩手県・大船渡市綾里(りょうり)地区。
リアス式海岸の入り組んだ湾は、潮の流れが豊かで魚介類の宝庫として知られ、ワカメや昆布の生育する豊かな海が広がり、それらを餌に育つウニの漁が盛んな地区です。この海ではアワビ漁も長年行われてきましたが、成長が遅い天然アワビは年々資源量も少なくなり価格が高騰していました。

その綾里地区で、1982年に「天然あわびを超える養殖あわびを育てる」という使命を掲げ、エゾアワビの完全陸上養殖を実現したのが元正榮(げんしょうえい)北日本水産株式会社です。

地下に浸透する海水を24時間365日絶えずかけ流し、餌には地場産のミネラル豊富なコンブやワカメを中心に、時には白身魚や海藻などを主原料とした飼料を与え、わずか3mmほどの稚貝から3〜4年の歳月をかけて育てられます。
成長が遅く、水質の変化にも弱いアワビですが、成長ホルモンや抗生剤などは一切使用せずに育てるという徹底的なこだわりよう。

こうして育てられた「三陸翡翠あわび」は、肉厚でやわらかく、肝までエグ味がない美味しいブランドあわびとして、全国の料理人からも高く評価されています。

地下海水の汲み上げの仕組み
▲地下海水の汲み上げの仕組み
3〜4年を経て育った三陸翡翠あわび
▲3〜4年を経て育った三陸翡翠あわび

3.11東日本大震災を乗り越えた歴史

2011年の東日本大震災では、養殖施設が津波で壊滅。
数十年の努力が一瞬で失われましたが、ゼロから再出発しました。

10年以上の歳月をかけて出荷規模を震災前に近づけた「三陸翡翠あわび」は、その歩み自体が地域復興の象徴に。
その後も、コロナ禍での飲食需要の落ち込みの影響や、福島第1原発の処理水放出を受けた中国の禁輸措置による突然の取引停止など、様々な危機がありましたがなんとか乗り越え、ここ数年はテレビや新聞、雑誌など多くのメディアに取り上げられ料理人や消費者からも注目を集めるようになりました。
生産高は震災前の水準にまで戻り、「三陸翡翠あわび」は今や大船渡市を象徴する産品のひとつへと成長していたのです。

3.11東日本大震災当時の様子
▲3.11東日本大震災当時の様子
徹底的なこだわりが評価された
▲徹底的なこだわりが評価された

森林火災による壊滅的被害

そんな矢先、大規模な山林火災が、北日本水産の養殖場を襲いました。

火災が発生した2月26日の午後には、三陸翡翠あわびの養殖場のある綾里地区に避難指示が出されました。

従業員は全員無事に避難はしたものの、いつ戻れるかがわからない避難生活が続きました。
養殖場へ戻ることができたのは3月10日。
戻ると一帯には生き物の腐った匂いが立ちこめていました。

炎に包まれた資材置き場。
焼け落ちたポンプと設備。
そして海水循環が止まった水槽の中で、育ててきた約250万個のあわびがほぼ全滅していたのでした

黒く焦げた綾里の林
▲黒く焦げた綾里の林
ポンプが燃え海水の汲み上げが不可能に
▲ポンプが燃え海水の汲み上げが不可能に

その被害総額は5億円超
商品化目前のあわびまでもが失われ、数年先までの出荷計画が白紙となる壊滅的な打撃でした。

しかし、北日本水産のみなさんはこんな状況の中でも歩みを止めませんでした。

クラウドファンディングを立ち上げ、全国の人々に再建への支援を呼びかけました。結果、実際に多くの方が応援の声を寄せることとなり、再開への希望の光となりつつあります。

けれども、再びアワビが出荷できるようになるまでには最低でも3年の歳月を要し、クラウドファンディングや補助金だけでは到底足りず、引き続き苦しい状況は変わりません。

ぜひ、この「三陸翡翠あわび」を未来につなぐために、多くの方のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

死滅してしまったあわび
▲死滅してしまったあわび
広大な養殖場全体でこの光景が広がっていました
▲広大な養殖場全体でこの光景が広がっていました

復興に向けて

北日本水産では、「三陸翡翠あわび」というブランド化に成功した国内最大級の岩手県を誇るあわびの養殖場を守りたい、再び美味しいあわびを全国の皆様に届けたいという思いで復興に向けて進んで参ります。

「翡翠のしずくストラップ」は、縁起物として広く知られているあわびの貝殻を1つ1つ手作業で丁寧に想いを込めて作成しています。

翡翠のしずくストラップ一つにつき600円が北日本水産への支援となります。

また、北日本水産の冷凍庫にわずかだけ残っていた蒸しアワビも数量限定で販売いたします。

・ご注意
翡翠のしずくストラップは、全て手作業で製作しているため、ご購入が殺到した場合には発送までに数ヶ月いただく場合がございます。
通常は発送後に決済を行いますが、当商品はいずれの決済手段の場合でも即時決済とさせていただきます。支援品のため、ご注文のキャンセル、商品のご返品や交換はできません。

大船渡といえばサンマ!絶品のサンマを買って支援ができます!

大船渡市を代表する秋の味覚といえばサンマ!
大船渡漁港はサンマの水揚げ本州一を誇ります。
近年は漁獲量が低迷していましたが、今年は近年稀に見る豊漁で型も良いとのこと。

今回、サンマ漁の網元である鎌田水産さんにご協力いただき、サンマの販売額の一部を北日本水産さんへの寄付に充てる取り組みを実施します。

活気あるサンマ漁の様子
▲活気あるサンマ漁の様子
サンマはこれからが旬!
▲サンマはこれからが旬!

お届けするのは、大船渡で水揚げされたサンマ2kg。
「訳あり」表記ですが、無選別でサイズの大小や水揚げ時の傷などのある魚が入る可能性があるためで、鮮度最高のものを発泡スチロールに氷を詰めてお届けします。

サンマ2kg1件につき約300円が北日本水産の支援に宛てられます。

“サンマの町”大船渡から直送する超新鮮なサンマを食べて、三陸翡翠あわびの未来をご支援ください!

ふるさと納税で支援もできます!(別サイト)

さいごに

二度の大災害を経ても前を向き続ける北日本水産のみなさんの姿勢には大変感銘を受ける取材となりました。
250万個のあわびの命が失われても、「三陸のあわびを未来へつなぎたい」という想いは消えていません。

「三陸翡翠あわび」が再び食卓へ届く日を取り戻すため、どうか、皆さまの力をお貸しください。応援をよろしくお願いします。

その他の特集はこちら!

タイムセール 九石大敷 魚千代特集 大ズワイガニ どくれもんLP