高知といえばカツオ。
高知県民はおおらかな性格の人が多いですが、ことカツオに関しては口うるさくなる県民性です。
そんな高知県民が美味しいカツオを食べたい時に行く町といえば、高知市から車で約1時間西に進んだ漁師町、中土佐町の久礼(くれ)です。
この地ではカツオの一本釣り漁が400年以上続き、鰹漁と共に発展したこの町は2011年に「久礼の港と漁師町の景観」として国の重要文化財に指定されました。

漁師町・久礼の大正町市場

高知の方言で「どくれもん」とは「ヘソを曲げた頑固者」という意味。
漁師町・久礼にはそんな頑固おやじたちが作った組合があります。
それが「企画・ど久礼もん企業組合」です。
ど久礼もんでは、カツオでこの町をどうやって盛り上げるかを研究し続け、さまざまな商品開発を行っています。
そこまでこだわるの!?と驚くほど、カツオへの妥協は一切許しません。
この“鰹乃國”久礼で、今日も頑固に美味しいカツオと向き合っています。

一匹ずつ丁寧に捌く
全て手作業

久礼漁協魚市場に水揚げされるのは全て土佐沖の一本釣りのカツオ。
一本釣りは400年ほぼ姿を変えることなく続いている、カツオを効率的に漁獲し、かつ、鮮度も保てる最良の漁法です。
久礼の市場の競りは一風変わっています。
他のカツオの水揚げのある市場では大型のコンテナ単位で仲買人がまとめ買いするのが一般的ですが、久礼の市場ではなんとカツオ漁船のおかみさんの手によって選別され1匹から買うことができます。
カツオ自体が新鮮なことは当然として、競りにも“鰹乃國”久礼のこだわりが見てとれます。
この港でカツオを仕入れるからこそカツオのタタキの職人も本領を発揮できるのです。

ずらり並んだ初鰹
ど久礼もんで仕入れたカツオ

ど久礼もんが運営する鰹乃國水産の加工場は市場から徒歩30秒!
使うカツオは久礼でその日に水揚げされたカツオのみ。 カツオは鮮度落ちが早いので手早く捌いていきます。

カツオは鮮度がよければそれで良いわけではありません。
「ごし」や「げじ」と呼ばれる、ごりごりと歯ごたえが悪かったり臭みが強いカツオが1〜2割、時には3割程度混ざります。
これらを選別してカツオのタタキには良いカツオのみを使用する目利きが必要になります。

カツオの“ごし”。見た目には違いはわからない。

捌いたカツオには塩を振り藁で焼きます。
ガスや炭など他の方法は一切使わず、藁を大量に燃やした炎でカツオの表面を焼いていきます。
ちなみに藁は国産のものを使用するという徹底ぶり。
ガスや炭を使う方がコストは抑えられますが、藁焼きの強力な炎と煙で燻されることでつく香りがカツオには最高に合うのです。

藁の炎で一気に焼き上げる
焼かれたカツオは飴色の仕上がり

カツオのタタキを食堂で出す時は焼いたらそのまま切って出すのですが、全国へお届けする場合にはまだまだ大事な工程が残っています。それが冷却・冷凍です。

藁焼きした後、そのまま置いておくと焼いた表面の熱が中まで少しずつ伝わってしまいます。それを防ぐため、藁焼きしたカツオをすぐさまビニールで包みスラリーアイス(氷塩水)の中に入れ一気に冷やします。これを行うことで、表面は香ばしい香りが残り、カツオの赤身は鮮度そのままに保ちます。

一般的に冷凍のカツオは水っぽくなりがちです。しかし、−30度のアルコールで一気に冷凍するブライン凍結を行うことで細胞がほとんど壊れないため、解凍しても生のカツオの食感を保ちます。

家庭用の冷凍庫は−18℃、一般的な業務用冷凍庫でも−20〜−30℃のものが多いですが、ゆっくりとはいえ品質は劣化していきます。鰹乃國水産では−50℃の超低温の冷凍庫で保管することで出荷の直前まで冷凍焼けや変色などの品質の劣化を防ぎます。

大学と町の共同研究で生まれたスラリーアイス
こだわりが詰まった珠玉の逸品

【一本釣り】土佐久礼のカツオの藁焼きタタキ

何から何までこだわりぬいた「ど久礼もん」によるカツオのタタキ。
カツオのタタキには特製のタレと地元久礼産の天日塩が付きます。
最高のカツオを自宅で食べたい方に迷わずおすすめしたい逸品です。
大切な人への贈り物にも最適です。

久礼の「ど久礼もん」× 須崎の「野見漁協」コラボ商品

高知かわうそ市場の目玉商品、野見漁協の「須崎勘八」をど久礼もんが藁焼きにしました!
脂の乗った須崎勘八に藁の香りが合わさりまさに絶品!
隣町同士のこだわりが詰まった商品です。
須崎勘八の藁焼きタタキの単品と、カツオと須崎勘八の藁焼きタタキセットがあります。

  • 適用された商品はありません。

編集後記

カツオのタタキにここまでこだわるものなのか、と驚きっぱなしの久礼の取材でした。
同時に、そりゃ美味しいはずだなと納得。
ど久礼もんの理事長・清岡晃司さんは「そえばこだわらんじゃちえわよ(そんなにこだわらなくても良い)いうて言われることもあるけんど、自分らでもうまいと思うがを届けたいきね。」と語ります。
ど久礼もんのカツオは、鰹乃國・久礼の頑固者たちが400年かけて作った文化をそのまま届けられる逸品です。
このこだわりのカツオをぜひ一度ご賞味ください。

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