土とミツバチと、牧之原のいちご
静岡県牧之原市は、駿河湾に面した約15kmに及ぶ海岸線を有する自然豊かな町です。温暖で日照時間が長いため、農業が盛んで様々な農作物が育てられています。
杉山農園さんは、この町で長年いちご栽培に携わってこられました。
杉山農園のこだわりは土。近年、土を使わずに水耕養液栽培で育てられることも多い中、杉山農園では有機物をたっぷり含んだ土で育てています。
また、ハウス内にはミツバチや有益な生き物がいます。ミツバチは受粉のお手伝いを、有益な生き物たちはイチゴに悪影響のある害虫の数を減らしてくれます。
ミツバチやそういった生き物は農薬に非常に弱いため、農薬の使用を最小限にとどめることで高品質かつ低農薬のいちごの生産を実現しています。
市内には直売所があり、時期になると果肉が柔らかく甘みの濃い「あきひめ」を求めて市内外からファンが訪れます。
▲茶畑の向こうに富士山が見える
▲杉山さんご家族
竜巻の被害
2025年9月5日、牧之原市を竜巻が襲いました。その規模は観測史上最大級とも言われ、推定風速75mという猛烈な風が吹き荒れたのでした。
わずか1分の間のできごとでしたが、数キロにわたる帯状の被害となり、電柱や家屋の倒壊など甚大な被害が出ました。
竜巻の発生した場所は農業が盛んなエリアであり、300を超える農業用のハウスが破壊されました。その農業の被害額は11億円を超えると推計されています。
▲被災当時の様子
▲被災後に撤去されたごみ
杉山農園もその被害を受けた農家さんのひとつです。
ハウス全体の80%が倒壊し、農場の大部分が失われました。建物の被害だけでも3000万円を超えるとされています。
本来であれば9月下旬からこの冬に収穫するためのイチゴの苗を植える予定だったところ、その直前という最悪のタイミングで被災したことにより、作付けできるのは残ったわずかのハウスのみとなり、今シーズンのいちごの収穫量は激減してしまう見込みです。
▲骨組みが大きく曲がってつぶれたハウス
杉山農園の今後
竜巻の被害を受けた直後、途方に暮れる暇もなく、復旧に向けて動き出しました。
被災状況を知った周囲の農家さんたちが集まり、さらに遠方からもボランティアの方々が駆けつけ、壊滅したハウスの解体作業が本格的に進められました。
多くの人の力が集まり、ハウスの解体作業がすべて完了したのは11月中旬。一人では到底成し得なかった作業でした。
また、被害が発生した9月は、本来であれば、これから作付けを行うはずだった大切ないちごの苗の準備が整っていたタイミングでもありました。
「このままでは、苗まで無駄にしてしまうかもしれない」
そんな中、Instagram等で呼びかけたところ、周囲のいちご農家さんたちが手を挙げ、すべての苗の引き取り先が見つかりました。
こんな形で支援の輪は広がりを見せています。
▲杉山農園さんのInstagramでは、被災後の経過も報告されています
静岡県は台風もよく通る場所です。その対策のため、杉山農園では台風にも耐える頑丈なハウスを建ててきました。しかし、その頑丈なハウスでも竜巻による突風には耐えられませんでした。
今後は風を受け流す構造のハウスへ転換し、来シーズンの収穫を目指して準備を始めています。
「あきひめ」へのこだわりとフリーズドライ商品
杉山農園が栽培を続けているいちごの品種は、静岡で生まれた 「章姫(あきひめ)」 です。
あきひめの最大の特徴は、果肉が柔らかいことと、酸味がまろやかでかつ甘みが濃いこと。
口に含むと、甘みが広がり、いちご本来の香りをしっかりと感じることができます。
一方で、果肉が柔らかいことは、流通の面では大きな弱点でもあります。
輸送中に傷みやすく、日持ちもしにくいため、スーパーなどで広く流通する品種には向いていません。
それでも杉山農園があきひめを選び続ける理由は、ただ一つ。
「自分たちが本当においしいと思えるいちごを作りたい」
その想いです。
実際、杉山農園の直売所には、あきひめの味を知っている地元のファンが多く訪れます。
「このいちごじゃないとダメ」
そう言って、毎年楽しみに足を運んでくださる方も少なくありません。
▲地元で愛される「あきひめ」
▲フリーズドライはアレンジもいろいろ楽しい
今回、竜巻被害により生のいちごがほとんど販売できない事態となったため、杉山農園さんの経営を支える商品がフリーズドライのいちごです。
真空状態でマイナス40℃まで下げ、約48時間かけて水分を飛ばす特殊な製法で作られています。
もちろん余計なものは一切使用せず、「あきひめ」のもつ甘みと適度な酸味、香りが楽しめます。
そのまま食べても美味しいですし、お菓子の材料やいちごミルクに加工するなど、様々な使い方が楽しめます。
スパークリングワインと一緒に楽しむのもとてもおすすめです。
ぜひ、こだわりの「あきひめ」のフリーズドライいちごを食べて、来シーズンの再開に向けた杉山農園さんの取り組みを応援してください!
牧之原市へのふるさと納税の返礼品としてももらえます!
牧之原市はイチゴやさつま芋などの農産物の他、駿河湾に面しているため海産物もあり、さらに丘陵地帯はお茶の一大産地となっています。
杉山農園さん以外にも魅力たっぷりの返礼品があります!
編集後記
今回、牧之原市という町に始めて訪れました。
調べていると静岡空港がある場所だとわかり、そう考えるととても交通の便が良いのですね。
ただし、高知から静岡空港への便はないため、今回は中部空港からのレンタカーでした。
訪れてみると、高速を降りると茶畑が広がり、低地にはいろんな畑があり、さらには海もある。おまけに富士山まで見える。とても風光明媚な場所です。
地元のスーパーも見てまわったのですが、食材が豊かで良い場所です。
杉山農園さんは今後も応援していきたいですし、牧之原市という場所も今回のことをきっかけに知っていただけると嬉しいなと思いました。
▲地元スーパーで見つけた酢締めのいわし。最高ですね。